年度末の棚卸調査はとても大変

お仕事

メーカー経理の大事な仕事の1つに、年度末に行う棚卸調査というものがあります。

これは何かというと、会社の在庫がどれだけ残っているのかを正確に数える作業です。

この在庫残高の金額が貸借対照表に載ります。

それだけでなく、在庫の残高は会社の利益を計算する際にも使用されます。

詳細な計算は省きますが、簡単に言うと在庫金貨が多いと一時的に会社の利益は増えます。

(一時的に増えた分、翌期の利益は逆に減ります)

なので今季の利益をよく見せようとしたり、税金のことを考えて逆に悪く見せようとしたりする場合は在庫の金額をごまかすことで簡単にできてしまいます。

不正の温床になっているので会計士の目も厳しく、メーカーに勤める経理にとっては一大イベントとなります。

棚卸調査は大事なイベントですが、かなり重労働となるので今回は何が大変なのかを記載します。

広い工場や倉庫を歩き回るので疲れる

棚卸調査は実際の製品を数える作業なので、製品が置いてある工場や倉庫を歩き回ります。

会社によってやり方は違いますが、私の勤めていた職場だと経理は全てを数えるわけではなく、1割ほどをピックアップして事前に担当者が分担して作成した製品リストと内容が合っているかどうかを確認していました。

ただ、全体の数がそもそも多いので1割といってもかなり多いです。

加えて、工場や倉庫は敷地面積がかなり広いので歩き回る距離がかなり長くなり、場合によっては全国各地に製品置き場があります。

私は関西に勤務していますが、棚卸調査のために北海道まで行っていました。

普段は事務所でデスクワークをしている経理でも、この棚卸調査の時期だけは歩き回る体力が必要です。

忙しい決算期の業務と重なる

棚卸調査は年度末時点の製品残高を数える作業なので、当たり前ですが年度末前後に行います。

経理の人は年度末に決算という年間で最も忙しい業務があるにも関わらず、この棚卸調査で体力を使い果たしてしまいます。

しかも棚卸調査は1日(場合によっては数日間)をかけて行うものなので、スケジュール調整をうまくしておかないと決算業務にかける時間が少なくなってしまいます。

私も棚卸調査の業務を行っていた時には、この業務だけもっとヒマな時期にできるようルールが変わらないかなと思っていました。

不具合があった場合に原因を調査する必要がある

そもそも、年度末に在庫がいくら残っているかというのは数えなくても計算すれば求めることができます。

年初の在庫残高と当期の生産量を足したものから売れた製品の数量を引けば残りの製品になるはずです。

なのになぜいちいち現場へ出向いて数えるかというと、計算上の残高と実際の残高はほぼ確実にズレるからです。

なぜズレるのかという理由も様々で、そもそも年初の残高が間違っていたかもしれないし、当期の生産量や売れた製品の数量が間違っていたかもしれません。

レアなケースとしては、誰かが製品を盗んだり紛失してしまったということも考えられます。

なぜズレが生じたのかという理由は経理部が調査しますが、時間をかければ判明するというものではないので、理由を見つけるというのは精神的にもツライ業務です。

まとめ

あまり知られていない業務ですが、在庫残高は会社の業績を決める大事な数字なので、棚卸調査は経理と切り離せない大事な業務です。

就活で特にメーカーの経理を志望している人はぜひ参考にして下さい。

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