それなりに規模の大きいメーカーの経理部には大きく2つの区別があります。
製造現場の事務所に勤務する「工場経理」と、各地の工場経理がまとめたデータをさらにまとめる「本社経理」です。
私はメーカーに入社して工場経理と本社経理の両方を経験しましたが、仕事内容は大きく異なります。
どちらが良いかは各自の好み次第ですが、今回は両者の違いを記載するのでどちらが自分に合っているかぜひ参考にしてみて下さい。
勤務地と勤務スタイルの違い
まず当然ですが工場経理は工場に勤務し、本社経理は本社ビルへ勤務します。
なので必然的に本社経理の方が駅前の便利な場所へ勤務できる可能性が高いです。
工場はバスや車で通勤する人が多く、私も毎日自転車を漕いで通勤していました。
また、工場経理は実際の製造現場へ足を運ぶことも多いので作業着を着て働きます。
工場についてから作業着に着替えるので、通勤時には何を着ていても良く非常にラクです。
本社経理は男性の場合だとスーツ勤務なので少し堅苦しい雰囲気があります。
私は今は本社勤務ですが、毎朝ネクタイを締めるのは面倒だなと感じています。
勤務地の便利さと勤務時のラクさをトータルするとどっちもどっちといったところでしょうか。
業務内容の違い
工場経理は各自が担当する事業を持っており、その事業に関する経理関連の仕事はすべてこなします。
原価計算、棚卸調査、損益管理、税務申告などは分かりやすい経理業務の例です。
これだけでなく事業で何か困ったことが生じると逐一経理へ連絡が来るので、「ここからここまでが工場経理の業務」という明確な区分けがありません。
イメージとしては中小企業や町工場の経理に近いです。
一方で本社経理では担当する業務が部署ごとに明確に区分けされています。
決算を担当する部署、税務を担当する部署、資金調達を担当する部署、というように個別の業務のスペシャリストとして1種類のことを深く極めていくような働き方です。
配属された部署の業務が自分の性格に合っていないとツラくなる可能性があります。
事業との関わり方のちがい
工場経理は担当する事業がより良くなるにはどうするべきかということを第一に考えます。
一方で本社経理は会社全体としての最適解を考える必要があるので、工場経理と本社経理では意見が食い違うということが起こり得ます。
例えばある事業が生産力強化のために設備投資をしたいとなった場合です。
もちろん工場経理はこの設備投資にOKを出しますが、本社経理では投資を回収できないと判断してNOを出すというケースが頻繁にあります。
そもそも本社経理は製造現場を目にすることが無いので、自分がメーカーで働いているという実感があまりありません。
その一方で、企業全体を見渡せるため自分の会社と社会の関わりを感じやすい点はメリットだと思います。
まとめ:どちらで働くのが良いのか
冒頭で述べたように、工場経理と本社経理のどちらが良いかというのは人それぞれです。
ただし、社会人経験の浅い若手会社員は工場経理で働いた方が良いです。
なぜなら、工場経理は中小企業で働くような感覚で事業に関する経理業務全般を行えるため、広範囲の知識を身に着けることができます。
本社経理で働くと1つの分野を極めることができますが、若手のうちは広く経験した方が後々役に立つでしょう。
私も入社して最初の数年は工場経理として働いていましたが、そのときに幅広い業務を経験できて良かったと感じています。
メーカーへの就職を検討している方はぜひ参考にしてください。
コメント